CHUCK S1 E1 女スパイからデートのお誘い

I hope I'm not interrupting.

(サラ)ちょっといいですか?

*直訳すると、「お邪魔でなければいいのですが」という意味ですが、家電量販店でこんなに丁寧な言い方は、なんだかしっくり来なかったので意訳してみました。相手の会話を遮ってでも、どうしても割り込みたい時なんかには役立つ表現ですよね、仕事中はよくこういう状況が起こります。

 

このあとの会話について、こちらのサイトからスクリプトをお借りしたのですが、どうもよく分かりません…

 

実際に聞いてみると、このあとチャックは「Not at all(とんでもないです)」と答えています。上のサラのセリフに続けるなら「ええ、どうぞ」くらいな感じですね。でも、この部分が抜けていて、次のセリフも意味不明


That's it's from Batman.

これはバットマンからです

*シーンの流れから推測するに、チャックは電話中のように見えるので、実際にはなにをしているのかよく分かりませんが、そこにサラが「I hope I'm not interrupting」と話しかけています。

なので、ここは「It's from back-end(倉庫からの電話なので、お客様優先なので、ジャマだなんてとんでもないです)」という流れだと思います。


'Cause that makes it better.

(サラ)それはよかった


(chuckles nervously) Hi.

(チャックは緊張しながら)こんにちは


I'm Morgan. 

(モーガンはニコニコしながら)オレ、モーガン そんでコイツはチャック(と自己紹介、このあたりは日本人にはさっぱり分かりませんよね。量販店の店員がお客さんに自己紹介することなんてないですから)


Wow! I didn't think people still named their kids Chuck, or Morgan, for that matter.

(サラ)えぇ! いまだにチャックとかモーガンなんて名前をつける親がいたなんて

*最後の「for that matter」はさっぱり分かりません。どなたかご存じの方、教えてください。


My parents are sadists, and carnival freaks found him in a Dumpster.

(チャック)ボクの両親はサディストで、彼はどっかの祭り好きがゴミ箱から彼を見つけ出したんだ

 


My Review

このシーンの続きで、チャックが手際よく、サラのガラケーを直します。

わたしはいろんな分野のテクノロジーが大好きなので、ついつい、ストーリーとはあまり関係のないそっちのほうに目が行ってしまうのです。

 

チャックのシーズン1は2007年からスタート。ちょうどアップルがiPhoneを発表した年ですね。ここでいきなりiPhoneを持って来ちゃったら、話がうまく進まないわけです、量販店の店員がいきなりささっと直せるわけがないので。

 

ちょっと脱線しますが、別の人気ドラマ「フレンズ」は1994年のスタート。わたしが16歳の頃ですね。

まだその頃はケータイがこんなに当たり前になるとはまったく考えてもいませんでした。

 ・フレンズ 「マンハッタンの6人」

 

 

さて、このあと、いよいよ女スパイ・サラが動きます。(Sarah makes her move)

 

(bell dings) Morgan, not now.

(ベルが鳴る)

(チャックが居眠りをしながら)モーガン、今はちょっと勘弁してくれ

(サラの手を握りってみて、どうもモーガンの手ではないと気が付き)
Hi! Hi Uh phone trouble again? Uh.

(チャック)ハイ、えーと、また電話の故障ですか?
.
yeah. I'm not sure I'm able to receive calls, 'cause I never got one from you.

(サラ)ええ、そうなの、ちゃんと受信できるかよく分からなくて、だってあなたが電話してくれないから…


Oh, man!

(モーガン驚きながら笑って)マジかよ、まったく

 

Sorry I left so quickly yesterday.

I had an appointment with a realtor.
I just moved here.

(サラ)昨日はほんの少ししかいられなくてごめんなさい

不動産屋さんに約束があって ちょうど引っ越してきたばかりなの


Welcome.

(チャック)ようこそ


Thanks.
And, uh I don't really know anyone here.
I was wondering if you would show me around.
That is, if you're free.

(サラ)ありがとう、それと…まだこのあたりで知り合いがぜんぜんいないの

もしよかったら、このあたりを案内してくれると嬉しいんだけど…

もちろん、もしお時間があるなら…

 

He's free. He is very available.

You guys are going to have a great time.

(すかさずモーガン)こいつはヒマだよ なんにもやることなんてないから

楽しんでおいで!


Apparently, my schedule is wide open.

(チャック)ご承知の通り(今モーガンが言ってくれたように)ボクのスケジュールはいつでも空いてますよ


Great.

(サラ)よかった

 

うーん、量販店の店員がこんな美女に誘われたら、相手がCIAのトレーニングを受けてなくたって、あっさりヤラれちゃいますよね。

「スパイもの」の醍醐味は、このように「仕事(国家のために行う諜報活動)」だけではなく、「私生活(主に恋人との関係)」もまた、ウソかホントか、いつも微妙なところで揺れ動くところに面白さがあります。

 

個人的には、アル・パチーノとコリン・ファレル共演の映画「リクルート」はこのあたりがスゴくうまく表現されていて最高です!

ただ、マット・デイモン主演の「ボーン・アイデンティティ」や、ディカプリオとラッセル・クロウ共演の「ワールド・オブ・ライズ」もまた、同様の揺れ動きはあるにはあるのですが、どうも最後が今ひとつでしたね。

「ボーン」も「ワールド」もどちらも、最後にはスパイの世界から足を洗って、静かな場所で好きな人とゆっくりと暮らせるというハッピーエンド。でも、そんな簡単な話しなら「スパイは苦労しない」わけで、でも、それが現代資本主義の宿命なんですかね? 広く一般にウケるようなラストを用意しておかないと予算が集められないとか。