バーン・ノーティス S1 E3 「初めての失恋」

High Security function will make errors of carelessness.

高度なセキュリティシステムは、不注意によるエラーが起こる
Many meetings.

たくさんのミーティングがあって、
Many bureaucrats supervising them.

役人たちが互いを監視しあっている
In the confusion of a great event, it's easy for another bureaucrat to interfere.

大きなイベントの混乱に乗じれば、ほかの役人をちょっと邪魔したって問題にはならない

 


My Review

今回は、役人たちの大きなイベントに忍び込み、だれが自分をハメたのか情報を見つけようとする。

いつもはスパイならではのスゴい技で困難を乗り越えるのですが、今回はちょっと体を張った手段に打って出ます。 警備員に追いかけられ、彼らを振り切るため、かなり高いところから飛び降ります。警備員にはマネのできない「スパイならでは」の力ワザ?と言ったところでしょうか。

 

 

このエピソードからしばらく、マイケルの父親が残した「ダッジ・チャージャー」(たぶん60年代のヴィンテージもの)がちょっとした役割を演じるようになります。 ジェームズ・ボンドもいわゆる「ボンド・カー」を乗り回すのが、たまらなくカッコいいわけで、やっぱりスパイにはトレード・マークになるようなクルマが重要! クラシックなチャージャーを選んだ製作者に拍手を送りたいと思います。

 

 

今回の依頼人は、大家さんのバーで働いているウェイトレスがここしばらく店に出てこないとのことで調べてみることに。

ふとしたきっかけでマフィアに命を狙われるようになった依頼人を匿うために、マイケルは手際よく、ガレージにお手製の「Early detection system(早期警戒システム)」を作ります。スパイの手にかかれば、「IoT」もお手のものですね!

 

そのガレージに依頼人の娘も匿おうとするのですが、その子はどうしても「最後にダンスパーティーに参加したい」と言って、状況を聞き分けてくれません。

 

上の動画の13分あたりのスクリプトを見てみましょう。

 

Can I call my friends at lease?

せめて友達に電話させてよ

 

No, no outside contact until this is over

だめだ、これが終わるまでは一切外部と連絡をとってはいけない

 

They are just highschool students, completely paranoid

彼らはただの高校生よ、妄想に取り憑かれてるわ

 

Maybe but I'mstill breathing

そうかもしれない、でも今でも生きてる

*これがスパイの世界なんですよね。ほんとに大変です…

 

 

依頼人の娘は、マイケルのアドバイスを無視して、ダンスパーティーに参加しようとします。そこに悪いやつがやってきて、マイケルの「妄想」は、妄想ではなくほんとに危険が迫っていることを、ついに彼女は理解し、ようやく事態を受け入れ始めます。が、高校生のその子にとって、恋人と別れて、身分をすべて変えて、新しい土地で生活をいちから築いていかなくてはならないというのは、あまりにキツい状況ですよね。

 

その彼女のツラさを察したマイケルは、いつもは自分のことを語りたがりませんが、元恋人のフィオーナとの出会いと別れについて話し始めます。初めて会ったのは「IRA」の任務に就いていた時で、本気で恋をしてはならない、いわゆる「情報提供者(スパイの世界では、Assetという語を使って表現しますね)」であるフィオーナに惹かれてしまい、でも、任務の都合からなにも言わずに別れることになったのです。

 

マイケルは「あのときはうまく行かなかったけど、今はこうしてまた彼女に会うことができた」と慰めます。

依頼人の娘は「もし、運命で結ばれているのなら、今ここで別れてもいつかまた会うことができるよね?」と聞きます。

うーん、大人なら、「そんな運命なんてものは、まず世の中には存在しないよ」と一蹴してしまいがちですが、わたしにも恥ずかしながら、こんな経験があります。 あれは18歳の時でした。バイト先で知り合った可愛い女の子と連絡先を交換して、といっても今のようにスマホどころか、おたがいポケベルすら持ってなく、自宅の電話番号を交換して、なんどか一緒にご飯を食べました。しかし、ごく短い時間で彼女の心変わりがあったのか、まったく連絡がつかなくなってしまいました。

それからしばらくのあいだは、まるで世界が終わってしまったような気がして、いつも心が苦しく、彼女を思い出すようなものが目に入ると、その子の顔が浮かんできて胸が詰まりそうでした。

 

まあ実際には、あとで人づてに聞いたところによると、彼女はちょっと病的なくらいにたくさんの男性と関係を持っていたようで、まだ10代でしたが社会人とも付き合ったりして、いわゆる「Bitch」だったので、付き合ってもロクなことはなかったのですが、それでも当の本人には、すぐには割り切れないで、しばらく引きずっていました。

先述の通り、彼女と連絡するには彼女の自宅に電話するしかなく、彼女の母親と少し話したのですが、ものすごくガラが悪く、よほどヒドい育てられ方をしたのだと推察されます。彼女を恨んではいません。ただ、今でも少し可愛そうだと思います。たくさんの男性から言い寄られる状態が、彼女の心の傷を少しでも和らげたのではないでしょうか。

 

 

今回は悪者の電話を録音し、それを合成し、マフィアの上層部が聞いたら激怒しそうな内容 ーーFBIに情報を流して、そのかわりに証人保護プログラムを受けようとするーー 会話を作る。それをマフィアの上層部に流せば、あとは向こうで勝手にそいつを始末してくれるというクレバーな方法で依頼者を救い出します。

 

上の動画の30分あたりのスクリプトを見てみましょう。

 

Modern technology has made it possible to do sophisticated electronic surveillance with stuff from your local electronic store.

現代テクノロジーは、洗練された監視を近所の電気屋さんで買った機材で行うことを可能にした

 

 

最初のシーンで、大きなイベントに忍び込んで盗み出した情報から、ついに自分がハメられた理由を示しているかもしれない資料を手に入れます。さあ、果たしてマイケルは真相をつかむことができるのでしょうか???