インドネシア映画がどのように開かれていったのか

このところ、インドネシアはちょっと気になっていたのですが、怠惰なわたしはあまり詳しいことはまだ知りませんでした。独裁政治が終わり、およそ20年でようやくだいぶ開かれてきたということでしょうか。

 


Heavy censorship under President Suharto’s dictatorship stunted Indonesia’s film industry. But in the atmosphere of freedom that followed his overthrow in 1998, film-makers adopted a more experimental approach and were not afraid to confront the grittier realities of life in the country.


Mira Lesmana and Riri Riza are leading filmmakers of the post-reform Indonesia, hoping to introduce Indonesian cinema to the rest of the world.

 

The 2002 hit they produced, What’s Up with Love?, was the biggest film at the Indonesian box-office in that year and sparked controversy among conservative Muslims for its depiction of a passionate kiss.

 

Both have also directed feature films in which they hope to investigate the political and social complexities of Indonesian life.

スハルト大統領の独裁政治のもと、厳しい検閲がインドネシアの映画産業の成長を妨げていた。しかし1998年、スハルト政権の崩壊により生まれた自由な空気は、映画製作者にインドネシア人の生活の中のより核心に迫るリアリティに挑んでいくことを恐れずに、より実験的なアプローチを可能にした。

 

Mira Lesmana と Riri Rizaは改革後の映画界をリードする製作者で、インドネシア映画を世界に紹介したいと願っている。

 

彼らが制作した2002年のヒット作「What’s Up with Love?」は、その年の最大興行収入をはじき出し、保守的なムスリムのあいだで情熱的なキスの描写について論争を巻き起こした。

 

二人とも、インドネシア人の社会政治的な複雑性を調査することを願って、長編映画を監督している。

*訳注:ちょっとこの原文は意味がよく分からなりませんでした。「hope to investigate」っていうことは、実際には調べていないのに映画を制作したってことですかね? あえて、完全な直訳にしてあります。

 


インドネシア映画の新たな潮流

 

競争原理VS多様性。新たな人間理解をもたらすきっかけとなるインドネシア映画

そうなると問題の核心は「競争原理VS多様性」ということか。多様性を確保するためには映画祭やミニシアター、自主上映会などの粘り強い継続は必要だし、あるいは有料配信など、インターネットも「上映する場」の範疇に含める発想は当然出るだろう。そのうえで映画館という空間、あるいは映画館へ行くという体験の優位性も再検討できるはずだ。

 


『アクト・オブ・キリング』

 

(原題:The Act of Killing)は、2012年制作のイギリス・デンマーク・ノルウェーのドキュメンタリー映画。

 

概要
1965年、時のインドネシア大統領・スカルノがスハルトのクーデターにより失脚、その後、右派勢力による「共産党員狩り」と称した大虐殺が行われ、100万人以上が殺害されたといわれている、9月30日事件を追った作品。
当時、虐殺に関わった者たちを取材し、彼らにその時の行動をカメラの前で演じさせて再現するという手法をとった異色のドキュメンタリー映画である。なお、製作に関わった多くの現地スタッフは、事件がインドネシア国内ではいまだにタブーであり、名前を明かすことが様々な危険を伴うとの理由から、“ANONYMOUS(匿名者)”としてクレジットされている。
2014年には姉妹編『ルック・オブ・サイレンス(英語版)』が公開された。