晴れませんね、どうせならこのままとことん「しんみり」しちゃいましょう

こないだ、天気予報で「記録的な日照時間の少なさになるかも」と言っていました。

こんなときはJazzでも聞いて、この陰鬱さに浸ってしまいましょう…

 

ビッグ・ネーム共演作を紹介するカテゴリ「Giatn Meets Giant:巨人、邂逅ス」でこれまで取り上げたアルバムは、デューク・エリントンとカウント・ベイシー、同じくエリントンとルイ・アームストロングのような同時代に活躍した巨人たちが激突したものばかりでした。同世代のジャズメンは基本的に良きライバル同士。個人的な軋轢があった訳ではないと思いますが、当然のことながらファンはライバルとみなし、本人たちも相手の活躍を見るにつけ、もっと良いものを作ってやろうと考えていたはず。いわば切磋琢磨する関係にあった者同士の激突でした。

今回取り上げる作品は、異なる世代の巨人が邂逅した作品、"Duke Ellington & John Coltrane"【1962】です。デューク・エリントンとジョン・コルトレーンが共演した唯一の作品です。

ふたりの年の差は27歳。親子ほどのギャップがあります。当然、スタイルにも大きな差異があることは言うまでもありません。デューク・エリントンは1899年生まれで録音当時63歳。コルトレーンは、1926年生まれで録音のときは36歳。エリントンは、1920年代の近代ジャズ黎明期から活躍し、ダンスのための軽音楽としてしか認知されていなかったジャズを芸術の領域にまで高めたと言われる大人物。一方のコルトレーンは、モダン・ジャズの申し子的存在で1950年中盤に頭角を現し1967年代に亡くなるまでハード・バップ、モード・ジャズ、アヴァンギャルド/フリー・ジャズといったモダン・ジャズ・ムーヴメントの中心に君臨し続けたスーパースター。

*「ジャズ、来るべきもの 名盤紹介ブログ」より引用

 

 

 1962年、インパルス!レコードのプロデューサー、ボブ・シール
の発案で、当時36歳で、新たな自己のサックス・スタイルを模索し
ていた新進のジョン・コルトレーンと、すでにその地位を確立してい
た大御所、62歳のデューク・エリントンとの共演が実現しました。

 ところが、この世代を超えた夢の共演には、ボブ・シールのもうひ
とつの意図が隠されていたのです。
 
 当時のジョン・コルトレーンは、自分の演奏に対する、あまりにも
厳しい完璧主義から、一曲につき数十回ものテイクを繰り返してあ
げく、採用テイクは最初の数テイクという、周りの人間はアゼンとす
るような「悪習癖」がありました。

 また、ときには一つの音が気に入らないからといって、スタジオに
戻って再録音するといった、採算度外視のレコード会社泣かせなこ
ともやっていたようです。

 それを危惧したプロデューサーのボブ・シールは、フィーリング重
視のデューク・エリントンをコルトレーンがお手本にして、その悪習
を少しでも改めてくれるよう、このセッションを企画したのです。

 

*「テンションノート・ジャズブログ」より引用