言わずと知れた世界最強のバンド(だった?)オアシスのノエル・ギャラガーは「Live Forever --The Rise and Fall of Brit Pop」のなかで、こんなことを言っています。
Who would want to write about daily life in Manchester?
(いったい誰が、マンチェスターでの日常を書きたいなんて思うんだ?)
In a fuckin' block of flats, smokin' shit weed...
(クソみたいなアパートで、クソみたいなハッパ(マリファナ)を吸って)
...doin' nothin', you know.
(...なんにもしないで、そうだろ)
My songs are all about just getting out the city, and, i don't know...
(オレの曲はみんなこんな街から抜けだそうってことなんだよ、なんていうんだろうなぁ?)
...living a better life, really.
(もっとマシな生活ってことなんだよ、マジで)
わたくし、外資系の金融機関に勤め、あまり内情に詳しくない人には、いくらか聞こえのいい仕事かも知れませんし、いくばくかマシな給料かも知れませんし、東京のほとんどの会社はブラックという現実社会の中では、いくらかマシな労働環境かもしれませんが、まあ要するに、わたしの生活もクソみたいなものでございます。
Some might say we will find a brighter day
(そのうちもっと明るい日があるって、だれかが言ってた)
こんなクソみたいな日常をなんとか明るくできるような情報をお届けするのが、このサイトの使命だと思って、書き進めていきます。
"Some Might Say"
夏目漱石 草枕
山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。
智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通おせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画(え)が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣(りょうどなり)にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろ)げて、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天 職が出来て、ここに画家という使命が降くだる。あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊(たっと)い。